水を1万円で売ることについて考える

営業に興味がある方であれば、誰でも聞いたことのあるお題。

「この水を1万円で売ってください」

営業の実力を測るために、出されがちなこのお題。関連する動画がYouTubeにもよくアップされますが、私は1度も関連した動画を見たことがありませんので、本日は何の偏見もなく、このお題に向き合ってみようと思います。

課題解決として水の提案

おそらくお題になる水は、基本的には500mlのペットボトルの水かと思います。面接中に、ポンと面接官が水を出して、「1万円で売ってください」という流れになると思われるからです。冷静に考えますと、500mlのペットボトルの水の相場は120円くらいでしょう。

つまり皆様に課せられたミッションは、「目の前のお客様の関心ごとに合わせ、普通は100円相当である水を1万円で売り込むことである」と言い換えることができる。

では、どうすれば価値を100倍にできるのだろうか?

まずは、水の役割について思いつく限り挙げてみましょう。

「喉の渇きを満たしてくれる」「酔いを覚ましてくれる」「何かを洗える」などなど。他にもあるでしょうが、ひとまずこのあたりが容易に想像がつく役割でしょう。

次に、上記役割がより際立つシチュエーションを考えてみましょう。

・喉の渇きを満たしてくれる→砂漠にいる状態で水がない。海外旅行中で、身体を壊さずに飲める水が手元にない。何かの影響で水の供給量が激減し、水好きなのに飲めない。

・酔いを覚ましてくれる→今にも戻してしまいそうなくらい気分が悪い時に、水がない。

・洗える→お気に入りのスニーカーが汚れてしまったが、周囲に水がなく、早く洗い落とさなければ、汚れが落とせなくなってしまう。

こんな感じでしょう。あとはこの役割を果たしてくれることに、費用対効果が合うかどうかを考えてみましょう。今回のケースでは、1万円という費用がかかってしまう訳ですので、それ以上に投資するメリットを感じていただく必要があります。

このロープレにおいて、どこまで自分でシチュエーションを自由に設定できるのか、不明ではありますが、例えば以下のようなイメージが考えられます。

・喉の渇きを満たしてくれる→砂漠を歩き彷徨っていたが、数キロ先に街が見える。残り数キロで何とか生還ができそうである。一方で喉が渇き、自分の身体は限界を迎えている。そんな時に、目の前に商人が現れて、1万円で水を譲ると言ったとする。1万円で命が助かるのであるから、安いものだ。

・酔いを覚ましてくれる→居酒屋で飲み過ぎ、今にも吐いてしまいそうなほど気分が悪い状態。あなたは体質上、水を飲めばある程度回復が見込めるタイプの人間である。そんな時、居酒屋の看板が目に入る。「店内で吐いた方を店員が見かけた場合、100万円の罰金を請求します。」1万円で水を売りますが、買いますか?商人が問いかける。

・洗える→あなたはお気に入りのスニーカーを履いて外出をしていた。スニーカーの値段は何と100万円。すぐに水で洗い流せば、汚れは落ちそうだが、よりによって周囲に水はない。そんな時に「1万円で水を売ります」と突然声をかけられた。

最後に

言語化してみて改めて思いましたが、

「販売しようとしている商材の役割が何か」

「その役割は、販売される相手にとって、どういった利点があるのか?」

「それは費用対効果合っているのか?」

この辺りを抑えることが営業において重要なんだろうなと実感。いい問題だな。。。。

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